HANADA GALLERY by Roito

Tokyo, Japan

HANADA GALLERY | Roito | photography : Daisuke Shima

HANADA GALLERY | Roito | photography : Daisuke Shima

 

DESIGN NOTE

  • スチールと真鍮を組み合わせたファサード

  • 細かなパターンを組み合わせた床のデザイン

EN

photography : Daisuke Shima

words : Reiji Yamakura/IDREIT

 
 

東京を拠点とするデザイン事務所、Roitoの神田亮平が内外装を手掛けた、東京・銀座にある画廊「花田美術」のデザイン。それまで、銀座7丁目で営業していた店舗を、再開発事業に伴い銀座6丁目に移転した計画で、同画廊の、家族経営による温かな雰囲気から、品の良さとやさしい印象を与える空間を念頭にデザインを進めたという。

外装は、コンクリート打ち放しのビルに対し、ダークな色調のファサードがデザインされた。そのデザインの意図を、「奇をてらわず、画廊としての凛とした佇まいを持たせ、かつ、通りを行く人が目をとめるように、スチール亜鉛メッキをリン酸処理してダークグレーに仕上げた素材を用い、ゲート型のデザインとしました。また、単一素材にはない豊かな表情をつくりたかったので、正面から奥に見える部分には、硫化いぶし仕上げした焦げ茶色の真鍮を組み合わせています。夜は黒一色に見えますが、昼間には、亜鉛めっきの細かな模様や、くすんだ真鍮の色合いから温かみが感じられるものとなりました」と神田は振り返る。鋼板の厚みにはこだわり、小口が繊細に見える9mm厚を選択、サインには真鍮の切り文字を組み合わせた。

インテリアデザインについては、「壁の色は白、照明は作品が綺麗に見えるようにという部分はセオリー通りとし、床にポイントとなるデザインを加えたいと考えました。そこで、オーナーのやさしい人柄に相応しいのは木だろうという理由から、細かなパターンのあるオーク材のフローリングを用いました」と語る。限られたスペースだが、あえて柄の密度を上げることで狭さを感じさせない効果を狙ったという。

また、入り口側から見て左手には事務所があり、腰高の収納棚の上部を扉とすることで、ギャラリー側からも事務所側からも作品を出し入れできる機能的な収納スペースを実現している。

(文中敬称略)

 

DETAIL

コンパクトなスペースに対して、あえて密度の高いパターンのフローリングを用いたという。素材はオーク材。

コンパクトなスペースに対して、あえて密度の高いパターンのフローリングを用いたという。素材はオーク材。

外装のゲートには、亜鉛メッキ特有の結晶模様のあるリン酸処理したスチール亜鉛メッキの9mm厚を使用。切り文字は真鍮のヘアライン仕上げ。

外装のゲートには、亜鉛メッキ特有の結晶模様のあるリン酸処理したスチール亜鉛メッキの9mm厚を使用。切り文字は真鍮のヘアライン仕上げ。

外装の正面奥に見える部分には、硫化いぶし仕上げの真鍮を使用。近寄った時にわかる微妙な違いを表現するため、黒に近いグレーに仕上げたスチールと、ダークブラウンの真鍮を組み合わせたという。右手に見えるサインの奥にはLEDライン照明を設置。

外装の正面奥に見える部分には、硫化いぶし仕上げの真鍮を使用。近寄った時にわかる微妙な違いを表現するため、黒に近いグレーに仕上げたスチールと、ダークブラウンの真鍮を組み合わせたという。右手に見えるサインの奥にはLEDライン照明を設置。

 

CREDIT + INFO

名称:花田画廊

設計: Roito 神田亮平

照明計画:大光電機

施工:杢和


所在地:東京都中央区銀座6-3-7アオキタワー1階

経営: 株式会社 花田美術

用途:画廊

竣工:2020年5月

面積:32m2

仕上げ材料:

床:オーク材フローリング(THE BORDER/BD-10_1, 10_2, 10_3, 10_4, 10_5/TIMBER CREW)

什器:収納棚・オーク材突き板

〈外装〉

ゲート:スチール亜鉛めっきリン酸処理 t9 + 真鍮硫化いぶし仕上げ

サイン:真鍮切り文字ヘアライン仕上げ + クリアコーティング

 

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