Maruta-Hiroba KI TO KI by TORAFU ARCHITECTS

Rest space | Kanagawa, Japan

Maruta-Hiroba KI TO KI | TORAFU ARCHITECTS| photography : Kenta Hasegawa

Maruta-Hiroba KI TO KI | TORAFU ARCHITECTS| photography : Kenta Hasegawa

 

DESIGN NOTE

  • 丸太をダイナミックに用いた人の“居場所”

  • 利用者が使い方を発見できるスペース

EN

photography : Kenta Hasegawa

words : Reiji Yamakura/IDREIT

 
 

トラフ建築設計事務所がデザインを手掛けた、箱根にある『彫刻の森美術館』内に新設された休憩と展示のためのスペース。展示やイベントに使うことができ、かつ、雨の日に室内で休憩できる場所が欲しいという要望から、ギャラリーとして使われていた2階の無窓のスペースを改修して計画された。

「日本初の屋外美術館である『彫刻の森美術館』では、外部に気持ちの良い空間が広がっています。その豊かな環境の中で、どんなことが室内でできるだろう、ということから考え始めました。また、同美術館の展示作品は基本的に触れることができないため、何か手で触れられるものが相応しいのでは、というアイデアが浮かびました」と鈴野浩一と禿真哉は設計当初を振り返る。さらに、下階のカフェで買ったものやお弁当を食べるスペースが必要という与件に対し、「ベンチやテーブルを置くと、その機能でしか使えなくなってしまう。そこで、手を触れたくなるような素材として、箱根山で伐採された杉の丸太と集成材を用い、自分で工夫して居場所を探すような環境とすることを目指しました」と二人は語る。また、自然の木と建材の中間にあるような生々しいマテリアルを塊のまま使うことで、材木置き場で感じるようなワクワク感や、自然の造形の迫力を感じてもらいたかったという。

「360mm角の集成材を土台として井桁状に並べ、階段室で分断されていた細長い空間に一体感を与える提案としました。橋のようにかけ渡した長い丸太はベンチやテーブルとして使うことができます。ごく単純なルールでできたこの空間は、使い方を限定せず、訪問者それぞれが能動的に使い方を発見できる余白に満ちた場所となりました」とシンプルなデザインに込めた意図を語ってくれた。将来、インスタレーションなど自由に使えるようにと白いまま残した壁はオープン後、さっそく展示に生かされたという。

(文中敬称略)

 

DETAIL

360mm角の杉集成材の上に、杉の丸太が置かれた。

360mm角の杉集成材の上に、杉の丸太が置かれた。

テーブルと使ってもらっても、ベンチとして使ってもらってもよいとトラフ 建築設計事務所の鈴野と禿は話す。青と赤に見える床はゴムチップマットを敷いたもの。

テーブルと使ってもらっても、ベンチとして使ってもらってもよいとトラフ 建築設計事務所の鈴野と禿は話す。青と赤に見える床はゴムチップマットを敷いたもの。

まるで、彫刻の材料をそのまま置いたように見えるほど、様々な表情、形の丸太が配された。

まるで、彫刻の材料をそのまま置いたように見えるほど、様々な表情、形の丸太が配された。

外観。「緑陰ギャラリー」の改修として、「KI TO KI」は2階に計画された。

外観。「緑陰ギャラリー」の改修として、「KI TO KI」は2階に計画された。

 
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CREDIT + INFO

名称:丸太広場 キトキ

設計:トラフ建築設計事務所

 鈴野浩一 禿真哉 

サイン:TAKAIYAMA

施工:イシマル、タケオ


所在地:神奈川県足柄下郡箱根町ニノ平1121

運営:彫刻の森芸術文化財団

用途:フリースペース、ギャラリー

開業:2020年3月

面積:506m2

仕上げ材料

床:既存モルタル床、特注色ゴムチップマット

壁:既存有孔合板

家具・什器:杉丸太材 杉集成材

照明器具:AKARI(イサムノグチ)

 

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