HOUSE IN NISHIYOSHINO by Yusuke Seki Studio
Nara, Japan
DESIGN NOTE
既存に“寄生”したかのような増床部のデザイン
継ぎ木により再生した構造部材
新旧が入り混じる独自のディテール
photography : Kenta Hasegawa
words : Reiji Yamakura/IDREIT
奈良県で、Yusuke Seki Studioの関祐介がリノベーションを手掛けた、果樹園を営む家族のための住宅。鉄骨造の母屋の裏手にある、農具置き場となっていた木造の櫓はいったんすべて解体し、傷んだ部分は継ぎ木した後、再び同じ場所に組み上げ、増床部分を支える構造として活用している。
内部は、かつて倉庫として使われていた母屋の1階中央に夫婦の個室を設けるとともに、玄関には長さ10mの土間をつくり、回遊性のあるレイアウトを実現。1階の増床部分には水周りを設け、2階はキッチンと広々としたリビングとして生まれ変わった。
設計者自身が、「建築のハッキングというか、寄生するようなアプローチになった」と振り返るように、既存を生かしながら機能を加えた結果、新旧の材による自然発生的なディテールが随所に見られる個性的な住空間となった。櫓上の増床部については、奈良県の歴史遺産として知られる高床式倉庫からもインスピレーションを得たという。
(文中敬称略)
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DETAIL
所在地:奈良県
竣工:2016年
面積:180m2
仕上げ材料
1階床:ナラ無垢材フローリング、オイルフィニッシュ
2階床:ラワンベニヤ、表面研磨 + オイルフィニッシュ