NICO chocolaterie by TORU SHIMOKAWA architects
Fukuoka, Japan
DESIGN NOTE
キャンティレバーの大型テーブル
コンクリートと黒モルタル研ぎ出しの有機的なライン
photography : Hiroshi Mizusaki
words : Reiji Yamakura/IDREIT
建築家の下川徹が手掛けた、チョコレート菓舗。設計意図を下川に尋ねると「どのような来客があっても泰然と迎える喫茶にしたいと考え、空間の中央に不動のコンクリート造でキャンティレバーの大きなテーブルをつくりました。」とのこと。
対面に他者が座っても気にならない距離感とするために、テーブルの奥行きは深い。3名以上の来客時にはコーナーを利用する想定だ。テーブル断面に見える、特徴的な黒モルタルとコンクリートの打ち継ぎ部分は「コンクリート打設の際、左官職人に一般的な水平押さえではなく、若干緩やかな波を描くように押さえてもらいました。その上に、筑後川と球磨川の川石を混ぜた黒モルタルを施工し、研ぎ出して川石の断面を現すことで、菓子のような表情としています。また、側面はコンクリートと黒モルタル両者の研ぎ出しが、緩やかな波の層となり、どこかカラメルソースのような見え方としました」と工程を語ってくれた。
(文中敬称略)
DETAIL
所在地:福岡県
用途:菓舗
竣工:2015年
仕上げ材料
テーブル:コンクリート + 川石混入黒モルタル研ぎ出し
ディスプレイテーブル:タモ無垢材 + 真鍮無垢棒