クリップと海の中 by Tomoki Mashimo
武蔵野美術大学 建築学科
私たちの生活が便利に、豊かになってきた要因の1つとして、使用目的によるアイテムの細分化があると考えます。例えば「のり(接着剤)」。液体のりから派生し、スティックのり、スプレーのりなど。使用する目的に特化した商品が開発されたことにより、生活が豊かになったのは明らかです。あったら便利です。しかしながら、1つ1つの使用範囲は狭まってしまったように感じます。使用範囲の縮小が使用機会の低下につながっていると考えます。
また昨今使用方法に関して規制されることが多くなってきたように感じます。例えば、公園の注意書き、アニメやゲームの表現規制など。その中でも私は商品の使用方法に関しての制限が気になります。商品の注意事項に「本来の用途以外に使用しないでください」と記載されていることや、違う使い方をすると注意されたり、変な目で見られることで、自由に発想することを制限してしまっているように感じます。
今回の卒業制作では、日常生活からアイテムを選定し、本来の使い方にとらわれることなく物事の可能性を考えることで、新たな使用方法の発見、そして日々の生活の中に面白さを見出すきっかけになることを目指しました。
words: Tomoki Mashimo
CREDIT
作品名:クリップと海の中
氏名 :眞下 智基
学校名:武蔵野美術大学 建築学科
卒業年:2020