PRESSURE by Ryo Takeyama
武蔵野美術大学 建築学科
私たちの時代において、大量生産制は今や欠かせない存在である。我々が使うものの多くがそれに従い、品質は安定し、コストは大きく下がった。しかしその反面、モノの没個性化も招いた。 同じ型枠から作り出されたモノは無機的にデザインされ、人の意図したかたちに収められる。そして規格から外れた物は粗悪品のレッテルを張られ、捨てられる。
そこで私は一つの型から有機的に変化するモノを提案することにした。
「PRESSURE」は同じ型から生産されながらも、ひとつ一つに変化ある形になる家具である。型枠にラテックスゴムを使用し、椅子の素材には発泡ウレタンを選んだ。ラテックスゴムは伸縮性に優れ、型枠に遊びを生む。発泡ウレタンは空気中の水分によって形を変え、一つとして同じ形を生まない。
二つの素材の相互作用によって、同じ型から個性のあるかたちを生産する。周囲の自然現象によって変化していくモノは、大量生産によってうまれる画一的なかたちが支配する世界において、愛嬌があるように映るはずだ。人が見た目や性格が多様である事が受け入れられるように、一つの規格によって取捨選択するのではなく、あらゆるかたちを受け入れる社会のありかたを提案する。
words: Ryo Takeyama
CREDIT
作品名:PRESSURE
氏名 :竹山 遼
学校名:武蔵野美術大学 建築学科
卒業年:2020